当事務所は、継続顧問のお客様には、基本的にクラウド会計ソフトの導入をお願いしています。
クラウド会計ソフトは、効率的な経理処理を行う上で便利なツールですが、利用する上でいくつかのデメリットも存在します。
今回は、クラウド会計の主なデメリットをまとめました。
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インターネット接続の依存
クラウド会計ソフトは、インターネットを介してデータにアクセスするため、常にインターネット接続が必要です。
ネット接続が不安定な場所や、サーバーがダウンしている場合には、データにアクセスできなくなるリスクがあります。
セキュリティ上の理由で会社のネットワークからしかアクセスできない場合、外出先での利用が難しいこともあります。
また、月末や月初など、アクセスが多い時間帯はなかなか繋がらなかったり、繋がっても動作が遅いことがあります。
多くのクラウド会計ソフトはAWS(Amazon Web Services)を利用していますので、AWS自体に問題が発生し、アクセスできないということも稀に起こっています。
セキュリティリスク
クラウド会計は、データがインターネット上に保存されるため、セキュリティリスクがゼロではありません。
万が一、クラウドサービスがサイバー攻撃を受けたり、アカウント情報が不正アクセスされたりした場合、機密データが流出する危険性があります。
クラウドサービスの提供者が高いセキュリティ対策を取っているかどうかを確認し、必要に応じてパスワード管理や多要素認証を行う必要があります。
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カスタマイズの制限
クラウド会計ソフトは、一般的に使いやすさを重視して設計されていますが、企業や事業ごとの特殊なニーズに対応するカスタマイズには制限があることがあります。
例えば、特定の業種に特化した機能や、複雑な経理処理に対応するための柔軟な設定ができない場合があり、その場合はいわゆるオンプレミスの会計ソフトの方が適していることもあります。
月額料金やランニングコスト
クラウド会計ソフトは通常、月額料金や年額料金がかかります。
これにより、導入時のコストは低いものの、長期間にわたる利用ではランニングコストが増加します。
特に、従業員が増えたり、機能の拡張が必要になったりすると、料金プランのアップグレードが必要となることが多く、結果的にコストが膨らむ場合があります。
また、2024年10月現在、メインで使われているクラウド会計ソフトは2つありますが、両方とも会社としては赤字の状況です。(1社は来期以降黒字の予定のようです)
そのような状況ですので、利用料は毎年のように値上げされていっています。
今後もこのような状況は続くと思われます。
機能の依存
クラウド会計ソフトの機能は、提供者によってアップデートや変更が行われますが、その内容はユーザーがコントロールできません。
必要な機能が削除されたり、使い勝手が変更されたりすると、業務フローに影響が出ることもあります。
企業ごとの業務に合わせた柔軟な機能調整ができないため、新しいアップデートが使いにくくなる可能性もあります。
サポート対応に限界がある
クラウド会計ソフトのサポートは、多くの場合オンラインヘルプやチャット、メール対応に限られます。
電話でのサポートが有料だったり、リアルタイムでの対面サポートが受けられないケースがあり、特に複雑なトラブルや技術的な問題が発生した際に迅速な対応が期待できないことがあります。
また、税務判断が必要な場合は、クラウド会計のサポートでは回答できないこととなっています。
そのような場合、会計事務所のサポートを受ける必要が出てくることもあります。
データ移行やバックアップの問題
クラウド会計ソフトにデータを移行する際、従来のオンプレミスソフトや他のシステムからデータを完全に移行できない場合があります。
また、クラウドプロバイダーのサービス停止やデータ損失のリスクを考慮し、定期的にデータのバックアップを取る必要があります。
しかし、クラウド環境でのバックアップが十分に取られていないと、万一の際にデータ復元が困難になる可能性があります。
まとめ
クラウド会計は多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
インターネット接続の依存、セキュリティリスク、カスタマイズの制限、ランニングコスト、サポート対応の限界、そしてデータ移行やバックアップの問題に注意を払う必要があります。
また、最近は利用料の値上げも続いているため、コストに見合った機能なのかどうか、定期的に検討することも大切です。
ただ、そうは言っても、便利なことは間違いないので、これからもクラウド会計ソフトがメインとなっていく状況は変わらないかと思います。
大切なのは、導入前に、自社のニーズに合うのはクラウド会計ソフトかどうかをしっかり検討し、適切なソフトを導入することです。
当事務所では、クラウド会計ソフトの導入相談も承っていますので、導入するかどうか迷っている方はご相談ください。
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